外資系でCopilotを使わずに生き残れる道はない。TOEIC600点台のPMが実務で使っている具体的な方法 

キャリア・英語
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今年の期初、私は目標設定のシートを前にして少し考え込みました。項目の一つにAIを活用した業務効率化施策を書かなければならないからです。

どのツールを使って、何をどう改善するか。それを自分で設定して、期末に結果を問われます。使うかどうかを選ぶ段階は、すでに終わっています。

私が勤める外資系メーカーでは、AI活用は個人の裁量ではなく組織の指示です。同じような状況に置かれている人は、外資系に限らず増えていると思います。

ただ、やみくもにAIに任せればいいという話ではありません。なんとなく日本語を英語にして、英語を日本語にして、それを繰り返しているだけでは英語力はつきません。

それだけでなく、ただ翻訳させるだけでは元の文章のニュアンスとまったく違う内容になることがあります。その違いに気づけるのは、自分が文章の意図を理解している場合だけです。

この記事では、私がCopilotを実務で使っている具体的な方法を書きます。英語学習のためではありません。外資系の会議とメールを、信頼を落とさずに回すための使い方です。

具体的には、会議の要約を自己防衛に使う方法、英語メールの精度を上げながら自分の英語力も落とさない使い方、返信が来ない相手への対処、専門用語の変換の4つを書きます。

AIに丸投げしてはいけない理由

AIに丸投げしてはいけない理由は二つあります。

一つは、翻訳の精度の問題です。自分で調べて作った英文と、AIが翻訳した英文は、同じ内容でも文章の意味やニュアンスが変わることがあります。特に業界で使われている専門用語や社内用語は、背景をAIに入力しなければ意味の通らない英語になることがあります。

その違いに気づけるのは、元の意図と業務の文脈を知っている自分だけです。気づけなければ、意図と違う内容のメールを送り続けることになります。

もう一つはハルシネーション。AIは存在しない情報や事実と異なる内容を、もっともらしい文章で出力することがあります。これは日本語でも英語でも起きます。

最近のAIはWeb検索機能を備えており、インターネット上の情報を参照できますが、そのソースが正確かどうかは自分で確認しなければわかりません。業務で使う以上、出力内容を検証できる知識がなければ、間違った情報を相手に伝えるリスクがあります。

私はData ScienceのCertificateを取得しており、AIの仕組みについてある程度の知見があります。だからこそ、AIの出力をそのまま信頼しない習慣が身についています。

AIは道具であり、使う人間の知識と判断が精度を決めます。

会議の記録をCopilotで自己防衛に使う

今のCopilotはミーティング終了後に内容を自動で要約し、決定事項・フォローアップタスク・担当者まで出力できます。AIがファシリテーターとして時間管理や途中経過のメモまで担う機能も出てきました。

私が主催する会議では、終了後にその要約を確認し、内容に誤りがあれば修正した上で、参加者全員に当日中に送付しています。

これは情報共有のためだけではありません。特に重要なのは、何を決めたか、次のアクションを誰がとるかを明確に記録として残すことです。多忙な中では決定事項を忘れる、優先度を下げる、期日通りに動かないということが珍しくありません。

記録があれば「あの時どう決めたか」「誰が参加していたか」を後から確認できます。担当者が変わったときに、なぜ今この状態になっているのかを追いかけなければならない場面もよくあります。

会議の要約を共有する習慣は、儀礼ではありません。自分が正しく動いていたという証拠を残す、自己防衛の手段です。

英語メールの精度を上げる——ただし自分で書いてから

私のやり方は決まっています。まず自分で書く。その後CopilotにリライトさせてAIの修正文を読む。ニュアンスの違いを確認してからメールにコピペする。この順番を崩しません。

この習慣を続けることで、相手や状況に合わせた表現ができるようになってきました。硬い場面とフランクな場面でのトーンの違い、関係代名詞の使い方、短文の羅列ではなく接続詞を使って意味をつなぐ文章の組み立て方。初心者英語から一歩出た表現を、実務の中で少しずつ学べます。

一方で、危ない使い方があります。最初からAIに英文を作らせて、自分は確認するだけという習慣です。確認は読解であって、作文ではありません。

毎回それを繰り返していると、自分で英文を組み立てる力は一向に上がりません。AIの出力を読めるようになるだけです。

受け取るメールも同じです。まず自分で読解する。その後Copilotに翻訳させてニュアンスの違いを確認する。自分の理解と照らし合わせることで、読解の精度が上がっていきます。

以下のプロンプトは[ ]の部分を自分の状況に合わせて書き換えて使ってください。

送信前のリライトプロンプト

以下の英語メールの下書きを、ネイティブのビジネスパーソンが見ても違和感のない洗練された表現にリライトしてください。意味は変えずに、よりProfessionalでConciseな文章にすること。

【私の下書き】

[ここに自分で作成した英語を貼る]

受信メールのニュアンス確認プロンプト

以下の英語メールを日本語に翻訳してください。単純な訳だけでなく、ニュアンスや行間に意図があれば合わせて説明してください。

【原文】

[受け取ったメールを貼る]

返信が来ないときの対処——上司をCCに入れる

何度依頼を出しても返信が来ない場合、催促メールをいくら丁寧に書いても効果は薄いです。

私がやっているのは上司をCCに入れることです。実感として、相手が返してくるスピードが明らかに速くなります。CCに上司の名前があれば、放置すれば怠慢と見られかねないからです。

海外のマーケティングチームは日々の対応で忙しく、面識のない相手からの問い合わせは優先度を下げる傾向があります。顔を知らない相手からの依頼は、後回しにされやすい。

そこにグローバルで顔が知れている上司の名前が入ると、問題が起きたときに間に入ってもらえる安心感もあり、相手の反応が変わります。

特に効果が出るのは、緊急で早急に回答が必要な場合と、責任の所在が曖昧な仕事です。

ただし一つ条件があります。普段からまったく話をしたことがない上司をCCに入れても機能しません。日頃から関係ができていて、グローバルで認知されている上司でなければ意味がありません。

メールの文面はまず自分で日本語もしくは英語で文章を書き、AIに英訳させてトーンを確認してから送ります。本文でCCについて触れる必要はありません。

催促メールの英訳プロンプト

以下の催促メールを適切な英語で作成してください。トーンはFriendly but Urgentでお願いします。相手を責める表現は避け、スケジュールへの影響を客観的な理由として使ってください。

【日本語の下書き】

[ここに自分で書いた催促メールを貼る]

専門用語を平易な英語に変換する

技術的な詳細をスライドで伝えるとき、エンジニアから受け取った内容をそのまま使っても経営層やマーケティング担当者には伝わりません。私がやっているのは、自分でまず内容を理解した上で、不要な情報を削除し、わかりやすい表現になっているかをAIで確認することです。

自分が内容を理解していることが前提です。AIに丸投げすると、何が重要で何が不要かの判断ができません。

専門用語変換プロンプト

以下の技術的な説明文を、専門知識のない「マーケティング担当者」でも理解できる平易な英語に書き換えてください。不要な技術的詳細は省き、要点だけを簡潔に伝えてください。

【原文】

[技術的な説明文を貼る]

使う前に必ず確認するセキュリティと注意点

便利なAIですが、会社で使う場合はセキュリティが最優先です。 実際に過去には機密情報の流出などが報告されています。

機密情報は入力しない

固有名詞や社外秘の数字を入れる必要はありません。抽象化して指示すればいい。「〇〇株式会社向けのプロジェクトAで納期が遅れそう」ではなく「重要顧客のプロジェクトで納期が遅れそう」と書けば十分です。

公開版と企業版の違いを確認する

会社でChatGPTが禁止されている場合、個人のスマホで業務内容を入力するのは絶対にやめましょう。入力データがAIの学習に使われる可能性があります。社内のITポリシーを必ず確認してください。

業界特有の単語に注意する

AIは業界特有の単語を文脈によって使い分けることができません。英訳した文章も和訳した文章も、どちらも自分が理解していなければ間違いに気づけません。

AIは道具、信頼は自分で作る

Copilotを使い始めて、会議の進め方が圧倒的に変わりました。参加できなかった会議でも要約をすぐに確認できるようになり、深夜のミーティングの結果を翌朝短時間で把握できます。

全てSharePointに保存されているので、過去の決定事項をいつでも引き出せます。以前は録画を聞き直すしかなかったものが、不要になりました。

ただし、AIが変えたのは情報の処理速度であって、信頼関係ではありません。

外資系で長く生き残るために必要なのは英語力ではなく信頼です。AIをうまく使えば効率は上がりますが、丸投げすれば信頼は落ちます。

自分で書いてAIで確認する、AIの出力を自分の知識で検証する。その一手間が、信頼を守ります。

テスト勉強や参考書を開く時間があるなら、その時間を実戦に使ってください。AIを道具として使いながら、実務の中で少しずつ自分の英語を鍛える。

その積み重ねが、いつかAIなしで書ける自分につながります。