子供の英語力は「外注」できない。私が塾任せをやめて、自ら学び始めた理由。

Education Strategy
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30代〜40代。仕事では責任あるプロジェクトを任される機会が増え、家庭では子供の教育方針に頭を悩ませる。

そんな私たちがつい陥りがちなのは、「自分は忙しいし英語も苦手だから、子どもの英語学習は英語塾に任せよう」という教育のアウトソーシングです。

しかし、外資系PMとして仕事をしてきた私はある結論に至り、子供を無計画に塾へ通わせることをやめました。

それは英語のスキル(文法や発音)は外注できても、英語を学ぶ動機や習慣、価値観は外注できないからです。

今回は、私がなぜ学校任せという選択肢を捨て、親である自分自身が学ぶという泥臭い道を選んだのか。その戦略的な理由をお話しします。

1. なぜ「塾への丸投げ」はROIが合わないのか

私が早期英語教育(週1回の英会話教室など)に投資しなかった最大の理由は、費用対効果(ROI)が低すぎると判断したからです。

多くの家庭では、早く英語が出来るようになってほしいために、子供を塾に入れます。

しかし、家庭内に英語を楽しむ環境や、英語を使ってコミュニケーションすると壌がない状態で塾に送り込むのは、ビジネスで言えば、要件定義もなしにベンダーに開発を丸投げするのと同じです。

  • 発注者(親)がプロジェクトに関与しない。
  • 現場(子供)には「やらされ感」しか生まれない。
  • ベンダー(塾)はカリキュラムをこなすことしかできない。

この構造で、プロジェクトが成功するはずがありません。週に数回、数時間のアウトソーシングで得られるのは、通っているという安心感だけであり、本質的な英語力は身につきません。

2. 早期教育よりも大切な「OS」の構築

もちろん、幼児期の脳の発達は目覚ましいものがあります。

だからこそ私は英語(アプリ)をある程度のレベルにする前に、母国語による思考力(OS)を鍛えることを優先しました。

中途半端な英語環境に時間を費やすよりも、自然の中で遊び、日本語でたくさん会話をし、本を読む。 「なぜ?」「どうして?」という知的好奇心を母国語で深めること。

この思考のOSが強固であれば、将来必要になった時に、英語というアプリはいつでもインストールできます。(もちろん英語ネイティブのように話せるバイリンガルにはなりませんが、それでいいという考えです。)

逆に、OSが未熟なままアプリだけ詰め込んでも、将来自分のアイデアや洞察を語れない中身のない大人になってしまうでしょう。

3. 目的は「ペラペラ」ではなく「多様性への理解」

私が子供に英語に触れてほしいと思う理由は、テストで点を取るためでもペラペラになるためでもありません。

世界には、違う言葉を話す人たちがいるという事実(多様性)を肌で感じてほしいからです。

私の長女は、保育園で様々な国籍の先生と接する中で、「先生の国ではありがとうをこう言うんだ」と自然に学びました。

さまざまな国の人と仲良くするには英語が必要なんだという内発的な動機さえあれば、子供はそのモチベーションで動き始めます。

親の役割は、単語や文法を細かく教え、英語のスコアを伸ばしたり、英検などの試験を突破させることではなく、この世界への窓を開いておくことです。

4. 最強の教材は、親が泥臭く英語を使う背中

では、家庭でどうやって「世界への窓」を開くか。 私が実践している唯一の戦略は、親自身が仕事道具として英語を使っている姿を見せることです。

私は仕事柄、海外チームとのWeb会議が頻繁にあります。時差の関係で、子供たちが家にいる早朝や深夜に会議をすることもしばしばです。

リビングの隅でヘッドセットをつけて、決して流暢とは言えない英語で議論する父親の姿。 子供たちはその背中を、当たり前の風景として見て育っています。

  • 「パパは夜になると、違う言葉を使って遠くの人と仕事をしている」
  • 「言葉に詰まっても、諦めずに伝えようとしている」

これこそが、どんな高額な教材よりも勝る生きた教材の一つだと思います。

英語は勉強するものではなく、パパが仕事で使っている普通の道具。この相手によって切り替え、日常的に使う感覚を植え付けることこそ、親ができる教育です。

5. 結論:まずは親がアジャイルに学べ

子供のためにと高額な塾代を払う前に、その予算と時間を少しだけ自分自身の学習に投資してみませんか?

親が日常的に楽しそうに海外のニュース(BBCなど)を聞く。 辞書を片手に洋書を広げる。 その姿を見た子供は、親が何も言わなくても、英語への興味を持ち始めます。

塾任せにするのをやめ、まずは親である私たちが、泥臭く楽しそうに学ぶ姿勢を見せる。つまり「英語は外注できるが、学ぶ姿勢を持ち続ける家庭は外注できない」

それが、私がたどり着いた、最も確実で戦略的な家庭教育の結論です。


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