【情報鎖国からの脱出】英語を「勉強」している時点で、あなたは世界から取り残されている

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英語の重要性を疑う人はあまりいません。しかし、多くの日本人が「いつか話せるようになりたい」と思いながら、単語帳をめくり、英会話スクールに通い続けています。

この行動は「永遠にリリースされない製品の開発」を続けているのと同じではないでしょうか。

テストで満点を取るための勉強、恥をかかないための準備。そんなことをしている間に、世界はものすごいスピードで変化しています。

最初にお伝えしておきますが、この記事は「英語が得意な人」のための話ではありません。「必要だとは分かっているが、完璧な準備ができるまで動けない人」に向けた、思考転換の提案です。

今日は、私が英語を「教科」として捉えるのをやめ、「生存のための情報収集ツール」として使い倒すようになった理由についてお話しします。

英語ができないことの最大のリスクは、コミュニケーションが取れないことではなく「世界標準の物差し(ベンチマーク)」を持てないことだと気づいたからです。

1. 日本語という「フィルター」を通した情報しか見えないリスク

私たちは普段、日本語のニュースやSNSを見て「世界を知った気」になっています。

しかし、日本語に翻訳されて私たちの手元に届く情報は、世界全体の情報のごく数パーセントに過ぎないと言われています。

しかも、その情報は誰か(メディアや翻訳者)によって、日本人向けにキュレーション(選別・加工)された二次情報です。

ビジネスにおいて、二次情報は判断を誤らせる原因になります。

例えば、海外で新しいテクノロジーやビジネストレンドが生まれた時、日本語の記事になる頃にはすでに「周回遅れ」になっているでしょう。いわゆる一次情報(Primary Source)にアクセスできない恐怖です。

英語を日常的に使うということは、情報のタイムラグをゼロに近づけるということです。 私がPMとして海外の競合製品を調査する際、日本語の記事はあまり読みません。

現地の公式サイト、ユーザーフォーラム、開発者のブログ(一次情報)を直接読みに行きます。そこには、日本のメディアが伝えない真実や前提条件、生々しい課題も書かれているからです。

英語ができないということは、誰かに加工された情報しか得られないという、極めて脆弱な立場にいることを意味します。

2. 英語は自国を客観視するための「外部監査ツール」

かつての私がそうであったように、日本という単一民族・単一言語の環境(閉じたシステム)の中にずっといると、その中のルールが絶対的な正解だと思い込んでしまいます。

他国の状況を知らず、良い点悪い点を比較できない「ベンダーロックイン」状態にあるといえるでしょう。

例えば、有給休暇にもベンダーロックインの弊害が見て取れます。 私が日系企業でエンジニアをしていた頃、年間20日の有給休暇が付与されていましたが、それを完全に消化する人は少数派でした。

「みんなが取らないから」「忙しいから」という同調圧力の中で、権利を放棄するのが当たり前になっていました。今でも日系企業にはそのような風潮が強く残っているでしょう。

外資系企業に転職し、英語で各国のメンバーと働くようになると、その常識は崩壊しました。

彼らは当然のように権利を行使し、消化できない分は金銭で精算される契約を結んでいたりします。 「なぜ日本人は権利を捨てるんだ?」と聞かれた時、私は初めて「自分たちが異常なシステムの中にいる」ことに気づきました。

英語を使って外の世界を知ることは、自分の置かれている環境を客観的に評価する「外部監査(ベンチマーク)」を行うことです。

日本の常識は、世界の非常識かもしれない。その視点を持つだけで、働き方や生き方の選択肢は劇的に広がります。

3. AI時代こそ、英語は「最強のコマンドライン」になる

「これからはAI翻訳があるから、英語の勉強なんていらない」という意見があります。 しかし、私の見解は真逆です。

AIを使いこなすためにこそ、英語が必要です。

現在、世界最先端のAIモデルや論文、プロンプトエンジニアリングのノウハウは、すべて英語で発信されています。 ChatGPTなどのLLM(大規模言語モデル)も、学習データの大部分は英語です。

日本語で指示を出すよりも、英語で指示を出した方が、AIはより精度の高いクリエイティブな回答を返してくれます。(2025年12月時点では)

英語はもはや、人間と話すためだけのツールではありません。 AIという最強のパートナーを動かすための「コマンドライン(命令言語)」なのです。

4. 準備はいらない。「β版」のまま市場に出す

多くの日本人は、完璧な英語を話そうとして「準備」に時間をかけすぎます。 TOEICで高得点を取ってから、文法をマスターしてから…。

ところが、ビジネスの現場では、流暢さよりもスピードと中身が評価されます。

もちろん、いきなりネイティブのように話す必要はありません。 私の英語も完璧ではありません。発音も日本的ですし、文法ミスもします。

しかし「β版(未完成)」の状態で実戦投入し、毎日使い倒しています。Web会議で聞き取れなければチャットで聞き返し、言いたいことがあれば泥臭く伝える。その繰り返しの中でしか、実用的なスキルは身につきません。

間違えた英語を使うことより、何も判断できないまま黙ることの方が、ビジネスではよほど大きなリスクだからです。

5.まとめ

最後に、英語学習を「運用」フェーズへ移行するための提案をして終わります。

必要なのは完璧なスキルではなく「未完成でも使い始める許可」を自分に出すことだけです。

机の上での勉強(開発フェーズ)はもう終わりにしましょう。 今日から、スマホの言語設定を英語にする。Google検索を英語で行う。YouTubeで海外のニュースを見る。 そうやって、生活の中の「本番環境」で英語を運用し始めてみる。

数ヶ月も待つ必要はありません。「英語を勉強する人」から「英語で情報を取る人」へ。そのスイッチを切り替えた瞬間から、あなたの生存戦略は大きく動き出すはずです。


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では、どうやって「β版運用」を始めればいい?

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